○桑折町長等政治倫理条例

平成21年12月21日

条例第28号

(目的)

第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者たる町長、副町長及び教育長(以下「町長等」という。)の政治倫理に関する規律の基本となる事項を定めることにより、町長等が町民全体の奉仕者として政治倫理の確立と向上に努め、常に良心に従い誠実かつ公正にその職務を行うべきことを促し、民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。

(町長等の責務)

第2条 町長等は、町民全体の代表者として、法を遵守し、町政にかかわる自らの役割と責務を自覚して、その使命の達成に努めなければならない。また、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、自ら進んでその高潔性を実証するとともに常に町民全体の利益を擁護し、公共の利益を損なうようなことがあってはならない。

2 町長等は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(政治倫理基準)

第3条 町長等は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。

(1) 町民全体の代表者として、その品位及び名誉を損なうような行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。

(2) 町民全体の代表者として、常に人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用していかなる金品も授受しないこと。

(3) 政治活動に関して、法人その他の団体から、政治的又は道義的批判を受ける恐れのある寄附を受けないものとし、町長の後援団体についても同様に取り扱わせるよう措置すること。

(4) 町長が行う寄附及びあいさつ状の頒布について公職選挙法(昭和25年法律第100号)の規定を遵守すること。

(5) 町又は町が資本金、出資金その他これらに準ずるものを出資している法人(以下「町等」という。)が行う工事の請負契約、業務の委託契約又は物品の購入契約(以下「請負契約等」という。)に関して特定の業者のために推薦、紹介その他の有利な取り計らいをしないこと。

(町民の責務)

第4条 町民は、自らが町政の主権者として公共の利益を実現する責務を負うものであるとの自覚を持ち、町長等に対し、次に掲げる働きかけを行ってはならない。

(1) 前条第1項第5号に規定する工事等の指名又は選定の依頼。

(2) 町職員(臨時職員を含む。)の採用に関しての推薦又は紹介の依頼。

(3) その他、飲食の供与等社会通念上疑惑を持たれる恐れのある行為。

(請負契約等に関する遵守事項)

第5条 町長等及びその配偶者並びに2親等以内の親族は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第142条の規定の趣旨を尊重し、町との請負契約等に関する契約を辞退するよう努めなければならない。

2 前項の規定は、町長等が実質的に経営に携わる企業(町の出資法人は除く。)について準用する。

3 前項に規定する町長等が実質的に経営に携わる企業とは、次の各号のいずれかに該当する企業等をいう。

(1) 町長等が資本金その他これに準ずるものの3分の1を超える出資をしている企業

(2) 法人の業務の執行又は監督を行う権能を有する者として町長等に報酬を支払っている企業

(3) 町長等が顧問、相談役等に就任する等その経営方針に関与している企業

(審査の請求)

第6条 町民は、町長等が政治倫理基準に違反する行為をした疑いがあるときは、これを証する資料を添えて、地方自治法第74条第5項に規定する選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署をもって、町長に対し政治倫理基準に違反する行為の存否の審査(以下「審査」という。)を請求することができる。

2 町長は、桑折町議会議員政治倫理条例(平成20年桑折町条例第22号)第5条第2項により審査請求が送付された場合は、受理しなければならない。

(政治倫理審査会の設置等)

第7条 町長は、前条第2項の規定による審査の請求(以下「審査請求」という。)があったときは、政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置し、当該審査を付託しなければならない。

2 審査会の委員(以下「委員」という。)は、5人とし、社会的信望があり、地方行政に関し識見ある者を町長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(審査会の職務及び権限)

第8条 審査会は、付託された審査を行うため、当該審査の対象となっている町長等(以下「対象町長等」という。)、町議会議員(以下「対象議員」という。)及び関係者に対し、資料請求、事情聴取等必要な調査を行うことができる。

2 審査会は、対象町長等及び対象議員に弁明の機会を与えなければならない。

3 審査会は、対象町長等、対象議員又は関係者が第1項の規定による調査に協力せず、又は虚偽の内容を報告したときは、その旨を町長に報告しなければならない。この場合において、町長は、その旨を公表する等必要な措置を講ずるものとする。

4 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、出席委員の3分の2以上の同意を必要とする。

(審査会の審査結果)

第9条 審査会は、町長が審査請求を受けた日から90日以内に、付託された審査を終え、町長に対してその審査結果を文書で報告しなければならない。

2 町長は、前項の規定による報告を受けた日から7日以内に、当該報告に係る文書の写しを議長、審査請求した者の代表者及び対象町長等に送付するとともに、当該報告の概要を町民に公表しなければならない。

(審査結果の尊重)

第10条 町長は、審査会から報告を受けた事項を尊重し、政治倫理基準に違反したと認められる対象町長等に対して、町民の信頼を回復するため、町民に対する説明会における釈明等必要な措置を講ずるものとする。

(職務関連犯罪で逮捕された場合の説明会)

第11条 対象町長等が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までに規定する収賄罪若しくは同法第198条に規定する贈賄罪又はその他の職務に関連する犯罪で逮捕された後においても引き続き町長等の職にとどまろうとするときは、町長に町民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該町長等は、説明会に出席し釈明するものとする。

(町長職務の代行)

第12条 町長が審査の対象となったときは副町長が、町長及び副町長がともに審査の対象となったときは教育長が、この条例に規定する町長の職務を行う。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

附 則

この条例は、公布の日から施行する。

附 則(平成26年条例第3号)

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

桑折町長等政治倫理条例

平成21年12月21日 条例第28号

(平成26年4月1日施行)