令和2年度施政方針

更新日:2021年03月03日

施政方針に先立ち、新型コロナウイルス感染症につきましては、感染症相談・受診目安や相談専用ダイヤルなどの情報に加え、桑折町健康づくりアドバイザーで感染症対策に詳しい浦島東京慈恵会医科⼤学教授のアドバイスに基づき、ホームページや広報などで町民に注意喚起を行うとともに、公共施設内での予防対策強化に努めております。先月25日には「桑折町新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、改めて体制強化を図ったところであり、また、先月27日に国から要請された小中学校等の休校については、子どもたちの健康と安全を第一に考えることはもとより、福島県教育委員会の方針に基づき、明日4日から春休みまでの期間を臨時休校とするとともに、幼稚園についても、同様の趣旨から臨時休園とすることといたしました。

今後も、国や県の動向を注視するとともに、関係機関と連携を密にし情報収集を行うなど、適切に対応してまいります。

 

はじめに、令和2年度の町政運営に臨む所信の一端を申し述べ、町民の皆さん並びに議員各位のご理解を賜りたいと存じます。

総合計画3年目の今年度は、本町産桃「あかつき」の令和初となる皇室献上、仙台圏での知名度向上に寄与した「東北楽天『献上桃の郷桑折町デー』」、整備が進む史跡桑折西山城跡を舞台とした「桑折西山城復元祭」、高齢の交通弱者のための「タクシー利用料金助成実証事業」、小中学校のICT環境の充実や英語指導体制の強化などによる「質の高い教育環境」の整備など、町の魅力を高め「桑折ブランド」へと昇華させるべく、事業に磨きをかけてまいりました。

新しく迎える令和2年度は、東日本大震災・原発事故災害から10年目となる「復興・創生の総仕上げの年」であり、相馬福島道路の開通や新庁舎の完成など、ビッグプロジェクトが次々と形となる「こおり新時代の幕開け」の年になります。さらには、新しい総合計画を策定する年であり、「復興・創生期間」終了後の新たなステージを見据え、人口減少・少子高齢化、自然災害の増大、町民の健康増進、ICTの飛躍的発展や地方創生など、さまざまな問題や課題に対して、町民の皆さんとともに真正面から向き合っていかなければならないと決意しているところであります。

それでは、新年度の事業概要について申し上げます。

当初予算の編成にあたりましては、現総合計画の総仕上げの年として、限られた財源の中、「事業の選択と集中」はもとより、費用対効果を上げて「桑折ならでは」の取組みに磨きをかけることを念頭に、「シティプロモーション推進のまち」など6つの重点項目に優先配分するよう指示しました。

一般会計の総額は、復旧・復興事業を含め73億7,210万円で、前年度比2億251万5千円、率にして2.8%の増となっており、教育環境の充実と子育て支援、移住・定住の促進と交流人口の拡大、健康づくり、災害対策、まちなか賑わい創出事業などに力点を置き、「こおり新時代」の新たなステージを見据えながら、「住み続けたいまち 住みたいまち こおり」を目指した編成となっております。

以下、総合計画の区分等に従って、新年度の主な施策の一端についてご説明申し上げます。

はじめに、重点プロジェクトに関連する施策についてであります。

第1は「『献上桃の郷』展開プロジェクト」についてであります。

26年連続の栄に浴し、令和初となった献上桃指定については、新年度以降も指定を受け続けるために、「モモせん孔細菌病防除対策事業」や「環境にやさしいモモづくり推進事業」、「農業次世代人材投資事業」など、引き続き質の高い桃生産に向け農家支援に取り組んでまいります。併せて「レガーレこおり」を核とした地域農業の振興や活性化、6次化産品の開発とブランド力向上を図るため、運営強化に努めてまいります。

また、「献上桃の郷」を広くPRするため、ロゴマーク浸透事業や「東北楽天『献上桃の郷桑折町デー』」をはじめとする仙台圏向けのPRイベントの実施に加え、新しく町PR動画を制作するなど、町民はもとより、一人でも多くの「桑折ファン」を獲得するため戦略的なシティプロモーションを展開し、交流人口の拡大と関係人口の創出に努めてまいります。

第2は「21世紀の追分推進プロジェクト」についてであります。

(仮称)国道4号IC周辺につきましては、相馬福島道路の本町区間開通が今夏に迫るなか、地理的優位性などポテンシャルの高さがますます顕著となることから、「(仮称)国道4号IC周辺新産業団地基本構想(適地選定)策定業務」の成果を十分に活用しながら、土地利用の検討と企業誘致活動の強化に努めてまいります。

また、待望の本町区間の開通が、町民の皆さんの記憶に鮮明に残るものとなるよう、ウォーキングなど開通前にしか体験できない町民参加型のイベントを6月末に開催し、復興道路完成の喜びと感動を分かち合うとともに、間近に迫る開通をPRしてまいります。

第3は「歴史まちづくり推進プロジェクト」についてであります。

「歴史的風致維持向上計画」につきましては、最終年次となる「史跡桑折西山城跡整備事業」について、平沢口への遊歩道整備や大かや園へのガイダンス施設整備を進めます。また、史跡指定範囲の周辺において、城跡碑や遊歩道などの整備に着手するとともに、「万正寺の大カヤ周辺整備事業」の実施設計に取り組むなど、両事業を連携させ整備を進めるほか、令和3年度開催予定の「全国山城サミット桑折大会」に向け、「全国山城サミット桑折大会プレ大会」を開催し、「歴史文化財の顕彰」と「伊達氏発祥の地」としての本町の魅力を発信してまいります。

また、「かわまちづくり事業」につきましては、国土交通省との連携のもと、来訪者の利便性向上を図るため「桃の郷トイレ」改修やベンチ設置など、阿武隈川河川敷周辺を整備し、観光誘客に生かすとともに、ウォーキングコース等の利用促進を図り、町民の体力向上や健康増進につなげてまいります。

第4は「町民のための庁舎整備プロジェクト」についてであります。

災害対応拠点機能を持つ待望の役場新庁舎につきましては、令和3年1月4日の開庁に向け、本体工事に加え、外構工事や太陽光パネル及び蓄電池の設置工事とともに、既存什器の移設や新規整備、行政システム等の移設、新庁舎イントラネット環境整備などを進めてまいります。

そして、11月に町民内覧会を開催するほか、開庁後の令和3年1月には、オープニングセレモニーや式典を開催し、町民に愛され、かつ信頼され、気軽に足を運んでいただける役場づくりに努めてまいります。

 

次は、総合計画の5つの分野別重点施策についてであります。

はじめに、1つ目の方針「魅力的で活力ある 地域社会の創生」についてであります。

農林業振興分野では、有害鳥獣対策について「やぶ等刈り払い委託事業」や「田畑侵入防止柵設置費補助事業」に取り組むとともに、ICTを活用した捕獲実験の継続や狩猟免許取得費補助など、駆除も含め被害低減のための対策強化を図ってまいります。

次に、商工業振興分野では、空き店舗を活用した起業者支援制度や商工会等が主催するイベントへの支援継続のほか、ブリュワリーパブ「上町CHEERS」のオープンに合わせた「街道ビアフェス」や街なか回遊促進の「郡役所カフェ」を開催し、中心市街地の賑わい創出につなげてまいります。

次に、観光交流分野では、「全国山城サミット桑折大会プレ大会」と同時開催の「こおりうまいものフェス」など、各種事業を連携して、本町の魅力を発信し、観光誘客促進と交流人口の拡大に努めてまいります。

次に、移住・定住分野では、若者定住促進事業等の継続はもとより、今年度に整備した「ホタピーハウス」等を活用しながら、移住希望者及び大学生を対象とした暮らし体験や農業体験事業を継続するとともに、地域おこし協力隊員を採用し、情報発信力の強化を図ってまいります。

 

続いて、2つ目の方針「健やかで希望に満ちた 暮らしの確立」についてであります。

子育て支援分野では、18歳以下の医療費の全額助成や各種予防接種事業の助成を継続するとともに、「すくすく育児パッケージ」事業の継続やスマホアプリを活用した子育て関連情報発信事業など、妊娠期から子育て期にわたり切れ目なく支援する「桑折版ネウボラ事業」を実施し、引き続き、子どもを産み育てやすい環境の充実に努めてまいります。

 

次に、健康づくりと医療分野では、「第二次活き生きこおり健康プラン」のもと「減らしお運動」や「こおり運動教室」に引き続き取り組むとともに、今年度、株式会社タニタヘルスリンクと連携した「先駆的健康づくり事業」についても、県のサポート事業を活用し実施するほか、健康寿命の延伸に向けて、先月16日に多くの参加者があった「こおり健康講演会」を踏まえ、笑いと健康を組み入れた「こおり健康楽会」を5月に設立いたします。また、企業・団体等と連携した「健康こおりンピック」の開催など、全町的に健康づくり事業を展開し、行政と町民が一丸となって「桑折ならでは」の健康づくりや健康寿命の延伸に取り組んでまいります。

次に、高齢者福祉分野では、「高齢者運転免許証自主返納支援事業」に加え、今年度取り組んだ実証実験「タクシー利用料金助成事業」の効果検証を踏まえ、65歳以上の非課税者や70歳以上の高齢者等の交通手段の確保のため、新たに「献上桃の郷おでかけパス」利用助成事業を実施し、タクシー利用料の負担軽減を図ってまいります。

 

続いて3つ目の方針「安全安心で住みやすい 生活環境の構築」についてであります。

はじめに、消防・防災分野では、近年頻発する豪雨被害等に備え、地域防災訓練や災害図上訓練の充実を図るとともに、役場新庁舎に避難所用の備蓄品を確保するほか、避難所となる新庁舎及び「イコーゼ!」に災害情報収集や緊急連絡手段として公衆無線LANを整備するなど、災害発生時の被災者支援対策に万全を期してまいります。また、防災意識の高揚と防災力の強化、減災対策を進めるため、夏までに「国土強靭化地域計画」を策定してまいります。

次に、環境衛生分野では、中間貯蔵施設への除去土壌搬出を令和2年度中の完了を目指すとともに、仮置場解体を計画的に進めてまいります。

次に、環境共生分野では、住宅用太陽光発電設備・ペレットストーブ等の設置費補助を継続するとともに、木質バイオマス導入に向けた検討など、「再生可能エネルギー推進の町」宣言にふさわしい事業を進めてまいります。

次に、居住環境分野では、「桑折まちづくりネット」が実施する空家相談会の開催や空家バンク活用による空家等の流通促進を支援するとともに、「桑折町空家等除却工事補助制度」の継続により、利活用が困難な空家等の除却を促進してまいります。

 

続いて4つ目の方針「志高い人材を育む 学びの醸成」についてであります。

はじめに、乳幼児保育と小中学校教育の分野では、待機児童ゼロの取組みや保護者の経済的負担軽減策である新入園児・児童・生徒への制服支給事業、幼稚園、小・中学校での給食費助成を継続してまいります。

また、「桑折学習塾」の開催や、ICTを活用した学習の推進、英語指導協力員及び特別支援教育支援員の配置により、引き続き質の高い教育環境を提供するとともに、「桑折町教育支援センター」を設置し、不登校児童生徒に対し学習や学校復帰に向け、心のサポートに重点を置いた支援を行って参ります。

次に、生涯学習分野では、青少年教育として、子どもたちが大きな夢や志を持つ機会となるよう、日本航空協会の協力のもと、熱気球体験やエアパイロットの室屋義秀さんの講演会を開催します。また、姉妹都市であるアメリカ合衆国エリザベスタウン市から7年ぶりに訪問団が、この秋来町する予定であることから、町をあげて歓迎するとともに、本町の魅力ある自然や歴史を紹介しながら、相互に友好の絆を確かめ合いたいと思います。

次に、生涯スポーツ分野では、「健康こおりンピック」開催と連携し、「イコーゼ!」の屋内温水プールにおいて、アクアバイクなど水中機器を活用した水泳教室の充実に取り組んでまいります。

 

最後は、5つ目の方針「計画推進に向けた取組み」についてであります。

住民自治につきましては、まちづくりを進める上で欠かすことのできない町内会や住民自治協議会活動が何より重要であり、自主的な活動を引き続き支援してまいります。

今年は、国や地域の人口やその構造、世帯の実態を明らかにする5年に1度の国勢調査の年であることから、統計調査員協議会や各町内会の協力を得ながら、国が委嘱する調査員の推薦や、調査票の配布・回収など、調査業務が滞ることのないよう取り組んでまいります。

 

次に、行政機能の強化について、引き続き、各分野の有識者を政策推進アドバイザーとして招聘し、課題解決や政策立案に進言を求めるとともに、復興・創生期間終了後のあらたな時代を見据えた町づくりの指針となる新総合計画を審議会委員はもとより、さまざまな立場の方々から意見を拝聴し、策定してまいります。

また、役場新庁舎完成に伴い、分散していた行政機能が集約されることから、より一層の町民サービスの向上や新たな総合計画の着実な推進に資するため、組織機構の再編を行います.

次に、財政運営については、より効率的で効果的な事務執行に努め、健全財政の維持を図るとともに、町税等の収納率向上はもとより、寄付額が増加している「ふるさと納税」の更なる拡充や、1月に第一号の寄附を受けた「企業版ふるさと納税」について、応援企業の拡大を目指すなど、自主財源の確保に取り組んでまいります。

次に、広報広聴活動ついては、今年度、県市町村広報コンクールにおいて三部門特選に輝いた「広報こおり」や町ホームページ等を通して、行政情報の充実とタイムリーな発信に努めて参ります。

 

以上、新年度における主要事業の概要を申し上げました。

私は、この当初予算を「こおり新時代幕開け予算」と名付けます。

その理由としては、本町にとって令和2年度は、相馬福島道路の開通や役場新庁舎の開庁、新総合計画の策定など、きわめて重要な年と捉えており、東日本大震災と原発事故災害直後に我々が思い描いていた「こおり新時代」の姿が目前にあると確信したからです。

この予算の執行にあたりましては、職員一人ひとりが中・長期的な視点に立ち、常に経費全般にわたる節減合理化等の取組みを推進し、最少経費で最大の効果が上がるよう努めてまいります。

 

いよいよ今夏には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。今月26日には、Jヴィレッジにおいて、全国聖火リレーのグランドスタートが開催され、本町代表のランナーとして選ばれた醸芳小6年の高野心平君が、聖火リレートーチを力強く掲げ、快走することとなっており、大震災と原発事故災害を克服した「桑折っ子」の逞しい姿を、全世界へ発信してくれるものと期待しております。

また、大会のモットーは「United  by  Emotion」、その意味は「感動で私たちは一つになる」とのことであり、私は、聖火の炎のように熱くハートを燃やし続け、町民の皆さんと共に熱量を共有し、夢と活力に満ちた「こおり新時代」の幕開けから、その先の輝かしい躍動感のある未来へ向かって、今後とも全身全霊で町政運営を進めてまいります。

 

最後に、今年は、町制施行65周年目にあたり、節目の年を祝い記念行事を実施してまいりたいと考えております。

思えば、「平成の大合併」の潮流に流されることなく、「単独立町」の道を歩み、加えて国難というべき事態を克服してきた今、その一つ一つの選択は誤りではなかったものと確信しております。そして、引き続き「小さくともキラリと光る町」を目指して参りますので、町民の皆さんをはじめ、議員各位におかれましても、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、令和2年度の施政方針とさせていただきます。

この記事に関するお問い合わせ先

総務課 行政係

〒969-1692
福島県伊達郡桑折町大字谷地字道下22番地7
電話:024-582-2111
ファクス:024-582-2479
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