平成30年第4回桑折町議会定例会(12月議会)提案理由
更新日:2018年12月04日
本日ここに、平成30年第4回桑折町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、時節柄何かとご多用の中ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
町長として3期目を迎え、初めての議会でありますので、この場をお借りしまして、改めて就任のごあいさつを申し上げます。
私は、この度の町長選挙におきまして、町民の負託に応え、2期8年の成果と「活力ある町」「暮らしやすい町」など、今後4年間の基本政策「6幸6恵」のまちづくりを公約に掲げ立候補いたしました。
結果として、1万2千町民の「いのち」と「くらし」を守る行政の責任者として、引き続き4年間、町政を担わせていただくことになりました。今回の選挙は2期目に引き続き無投票当選となりましたが、町民の皆さまの「信任」を賜ったものと、真摯に受け止めております。
3期目となりますが、慢心することなく新たな発想で、平成から変わる新しい時代に相応しいまちづくり「住み続けたいまち 住みたいまち 桑折」の実現に全力を傾注するとともに、町民の皆さまと共に歩んでまいる所存であります。
私は、四季折々の味わいを醸し出す自然や、歴史・文化が薫る街並み、そして震災から着実な復興を遂げ、新たな「創生」の時代に羽ばたこうとしている桑折町を誇りに思っております。この素晴らしい町を一人でも多くの方に知ってもらうため、町内外に向けて本町の様々な魅力を発信し、知名度向上、関係・交流人口の増、ひいては移住・定住人口の増につながるようシティプロモーションを進めてまいります。
町議会に対しましては、私の政治信条であります「公平」「公正」「クリーン」を基本とし、議会制民主主義を尊重して誠実に対応し、町政の安定に努めてまいりますので、議員の皆さまの特段のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。
それでは、提案理由に先立ち、本町を取り巻く情勢の一端をご説明させていただきます。
桑折高架橋工事の最難関であった東北新幹線上部の橋架工事に続き、「21世紀の追分」ともいうべき(仮称)福島北ジャンクションの工事も進捗著しく、いよいよ32年度開通が間近に迫ってまいりました。
国道4号と東北中央道のはざまに位置するインターチェンジ周辺の開発につきましては、未だハードルが高く、困難な道のりでありますが、新しい可能性を探りながら実現に向け邁進してまいります。また、ジャンクションやインターチェンジにつきましても、「桑折」の名称を刻んだものにしていただくよう各所に働きかけてまいりましたが、一定の感触を得たところであり、町の知名度向上のためにも取組を継続してまいります。
次に、農業につきましては、6月から8月にかけての高温干ばつの影響を受け、桃の生産量は3割ほど低下したことから、今回の異常気象に対する支援として「高温・少雨による農業等災害対策事業費」をいち早く予算化し、農家の不安払しょくに努めてまいりましたが、当初の想定を上回る38件の申込があったため、今回の補正予算で増額計上いたしました。
有害鳥獣対策につきましては、史跡桑折西山城跡周辺のイノシシ侵入防護柵を今月から設置する予定でありますが、出没エリアが拡大していることから、防護柵や緩衝帯設置などによる囲い込みの強化を図るとともに、有害鳥獣対策実施隊との連携を密にしながら警戒強化に努めてまいります。
次に、移住・定住につきましては、若者定住者向け補助関連の申請件数が伸びており、昨年度からの実績として、先月末現在51世帯200人の定住につながっているほか、新婚世帯家賃支援事業についても、13世帯のほとんどが町外在住者の申請であることから、若い世代の転入促進に貢献しているものと評価しております。
また、福島蚕糸跡地に建設を予定している日立オートモティブシステムズ株式会社の従業員寮32戸につきましては、当初より遅れが生じたものの来年2月に着工し、5月末から入居が始まると聞いておりますが、さらに多くの従業員の定住化に向け有効な手段を講じるなど、企業側に強く働きかけてまいります。
一方、更なる移住・定住者を呼び込むためには、就労や教育などに加え、質の高い生活環境を整備していくことが重要であり、買い物など街なか空間でにぎわいを創出するような施設についても検討の必要性を感じております。人口減少社会にあって、一人でも多くの方に「住んでみたい」と思っていただけるよう、定住促進につながる施策を積極的に打出していくことで、魅力的なまちづくりを目指してまいります。
次に、地域振興につきましては、農業振興活動拠点施設「レガーレこおり」のオープンから6か月で、早くも来客が2万人を突破、売上も3千万円を超え、「地方創生の成功事例」となったものと自負しております。一方、町民研修センター「うぶかの郷」につきましては、業績が低迷していることから、9月議会でも答弁したとおり外部有識者による「あり方検討委員会」を3回開催し、委員から貴重な意見をいただきました。今後、内容を精査し、庁内で検討を重ねてまいります。
次に、健康につきましては、10月から開始した「献上桃の郷こおりチョボラ元気応援ポイント制度」に14事業所の協力をいただきながら、現在約70人が参加しており、また、前年度から力点を置いて進めて来た「こおり版いきいき百歳体操」につきましては、今月末までに15グループ1教室約370人を数え、総合計画に掲げた32年度の目標人数を越える結果となりました。
福祉につきましては、来年度の地域福祉計画策定に向け町民アンケートを実施しており、全ての町民が日々の生活を元気で健やかに過ごすことができるよう、引き続きニーズを的確に捉え、事業を展開してまいります。
次に、教育・生涯学習につきましては、幼稚園運動会や学習発表会、醸中祭などの秋の学校行事等において、子どもたちの成長した姿が随所に見られ、統合幼稚園や小中学校の教育が一段と充実してきていることをお示しできたものと考えております。今後とも、生活習慣改善や学力向上を支援する施策を推進するとともに、待機児童ゼロの継続や保護者への経済的支援に努めてまいります。
また、今年の文化祭は、芸能発表、作品展示ともに幅広い年齢層の参加のもと一段と盛り上がりを見せ、桑折西山城跡整備事業は本丸部分の復元が進み、歴史まちづくり講演会も町内外から多くの参加を得て開催されました。今後とも歴史と文化の町にふさわしいまちづくりを進めてまいります。
次に、防災につきましては、地区別の災害ハザードマップを各戸に配布するとともに、10月28日には、半田地区において住民自治協議会の協力のもと、約500人の参加者を得て、県北地方振興局と合同で地域防災訓練を行いましたが、振興局からは「住民の防災意識が格段に優れている」との高い評価をいただきました。
しかしながら、災害発生の予測は困難であり、町民の生命財産を守るためには、適切な初動対応が求められます。本町の災害対応拠点の核となる施設は役場庁舎であり、初動対応に万全を期すも、老朽化著しい現庁舎での対応には不安が残るため、災害対応拠点の本丸となる新庁舎の整備を急ぐ必要があります。先月には行政連絡員の研修として南会津町役場を視察しましたが、参加者からは災害対応能力が充実する新庁舎の早期完成を望む意見を多くいただきました。現在の進捗といたしましては、実施設計の詳細を詰めているところであり、併せて南側進入路の改良工事に着手いたしました。今月中には敷地内樹木を伐採し、来年3月には実施設計、荒造成を完了させ、次年度の庁舎建設着工に向けて着実に事務を進めてまいります。
町民の安全・安心を確保するためにも、一日も早い完成を目指すとともに、防災意識の向上に努め、災害発生時の対応についても研鑽を積んでまいります。
総合計画の効果的な推進等を図るため、町内外の外部有識者からなる「桑折町総合政策推進有識者会議」を設置し、10月と11月に開催した会議では、各委員それぞれの立場から町の現状認識や先進事例の紹介などについて発言があり、貴重なご意見やご提言をいただいたところであります。今月には、有識者会議委員長から町に対して報告が行われる予定ですが、寄せられた意見等については、今後の施策に活かしてまいりたいと考えております。
先月22日には、来年度の予算編成方針を示し、当初予算編成の着手を指示しました。来年度は「町の活力創造と元気発信」を総合計画推進のポイントと位置付けながら、「シティプロモーションの推進」「活力ある町」など6項目を重点施策に掲げ、限られた財源の中、事業の選択と集中、スクラップアンドビルドに努め、総合計画の目指す姿の実現を図ってまいります。また、ふるさと納税につきましては、財源確保の有効な手段の一つであることから、魅力ある返礼と感じられるよう返礼率を引き上げるとともに、県内町村初となるお墓管理サービスや地元企業による非常食セットを新たに加えるなど、返礼品の拡充を図り、11月から順次受付を開始いたしました。年末にかけて申し込みが集中しますが、制度を通じて桑折町をPRするとともに、一人でも多くの方に納税していただけるよう随時内容を見直してまいります。
それでは、本定例会に提出いたしました議案の概要についてご説明申し上げます。提出いたしました案件は、条例制定1件、条例改正1件、補正予算4件、報告1件の計7件であります。
はじめに、「桑折町地方活力向上地域における固定資産税の課税免除及び不均一課税に関する条例」につきましては、地域再生法に基づき、企業の新規立地及び町内投資による雇用創出を促進するため、本町への本社機能の移転・拡充等を行う事業者に対し、固定資産税の課税免除または不均一課税を適用する条例を制定します。
次に、「桑折町職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」につきましては、県人事委員会勧告に基づき、職員の月例給料額及び勤勉手当支給率の引き上げなどを行うものであります。
次に、「平成30年度桑折町一般会計補正予算(第3号)」につきましては、既定の予算総額に歳入歳出それぞれ5,476万6千円を追加し、予算総額を63億1,888万7千円とするものであります。
歳入の主なものについては、福島県農業等災害対策補助金や前年度繰越金、臨時財政対策債などを増額するものであります。
歳出の主なものとしては、半田沼及び西根堰の維持管理に係るストックマネジメント県営事業負担金、新庁舎敷地の荒造成のための工事費を追加するとともに、高温・少雨時の農作物被害防止のための井戸設置費補助金や県人事委員会勧告に基づく職員給与等の増額などを行うものであります。
次に、「平成30年度桑折町国民健康保険特別会計(事業勘定)補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額にそれぞれ742万8千円を減額し、予算の総額を14億299万6千円とするものであります。
次に、「平成30年度桑折町介護保険特別会計(保険事業勘定)補正予算(第3号)」につきましては、既定の歳入歳出予算の総額にそれぞれ1,230万6千円を追加し、予算の総額を15億3,859万6千円とするものであります。
次に、「平成30年度桑折町水道事業会計補正予算(第1号)」につきましては、収益的収入について、1,031万8千円を増額し、総額を3億6,839万9千円とするとともに、収益的支出については、194万6千円を増額し、総額を3億4,085万8千円とするものであります。
次に、「専決処分の報告」につきましては、議会の議決により指定された町長の専決事項に基づき、福島県市町村総合事務組合規約の変更を専決処分しましたので報告するものであります。
以上が本定例会に提出いたしました議案の概要でありますが、詳細については審議の都度担当課長からご説明申し上げますので、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げまして提案理由の説明といたします。
平成30年12月4日
桑折町長 高 橋 宣 博
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