伊達果実農業協同組合で働く、瀬川実さん

更新日:2023年12月22日

伊達果実農業協同組合の瀬川実さん

伊達果実農業協同組合 営農指導部 課長 瀬川 実(せがわ みのる)さん

桃の手入れなども指導 美味しい桃を届けたい

「消費者の皆さんに福島県、桑折町の桃の美味しさを少しでも分かってもらえるよう日々努めています」という瀬川さん。伊達果実農業協同組合に勤めて14年目となるベテランです。桑折町では固めの桃が好まれる傾向にありますが、首都圏に行くにつれ、「桃は柔らかい」というイメージが強くなる傾向があるため、柔らかくてもイタミのない桃を届けるように徹底。桃に触れる回数を極力減らすよう全てのスタッフに指導しています。「昔はもっと柔らかい品種が多かったので、今よりも気を遣ったかもしれませんね」。また、固い、渋いなど、食べる人によって異なる食感や味に対する違いに対応するため、上部透過式光センサ(糖度センサ・カラーセンサ)という選果機を使用しています。

瀬川さんが忘れられない出来事が東日本大震災。「私だけではなく、福島の農業関係者全てにとって、やっぱり、大震災のときが一番大変でしたね。12年経った今でも、『福島のものは買いたくない』という声も聞こえてきております。本当に悔しいし、とにかく一度でいいから手に取ってほしいです」と真剣な表情を浮かべます。

桃に対して格別な思いを持つ瀬川さん。「少しでも長い期間にわたって桃を楽しんでもらえるよう品種を厳選。品種リレーを確立しました」。このリレーを確立するため、瀬川さんはじめ、伊達果実農業協同組合では、それぞれの時季に合った桃の手入れの仕方などの指導も積極的に行っているそうです。「品種によって栽培の難易度は違いますし、天候も毎年異なりますからね。山手と平場では気温や風などにも違いがでます。それら全てを考慮して、1年中桃の栽培に集中するからこそ美味しい桃ができるんです。これからも、美味しい桃を皆さんのもとへ届けていきたいと考えています」。